(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
「わかるわ。うちの主人なんて上の子の妊娠中、過保護すぎて、ここで仕事してたのよ。四六時中、家にいて、私がトイレに行くだけでも、前で待ってるの!夫婦でも羞恥心はあるでしょ。あれだけは、我慢できなくて、やめてくれないなら、実家に帰るって言ってやったの」
「うちも、結構過保護だと思ってましだけど、それはないですよ」
「でしょ。代わりにトイレ行く時はスマホを持っていく約束をさせられるし、トイレ前で待たれるよりマシの妥協案をのんだわ」
その時、リビングのドアが開いて、入ってきたみはるさんの旦那様と、息子さんの優雅くん。
「あら、おかえりなさい。ゆうが、パパとのお出かけ楽しかった?」
「うん」
優雅くんが、美晴さんに抱きついたら、美晴さんも優雅くんのほっぺにチュッとして愛し眼差しで見つめていた。
そして、旦那様も美晴さんの側まで来て、私がいるのにお構いなしにチュッと唇にキスして「ただいま」と返し、目のやり場に困っている私に微笑んだ。
「海堂さん、いらっしゃい。優雅、海堂さんにご挨拶は?」
「お邪魔してます」
「こんにちは」
「こんにちは。優雅くんは何歳?」
「4歳。もうすぐお兄ちゃんになるんだ」