(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]

「愛梨は?」

「さっき、泣き疲れて寝たとこ」

お互いに目を合わせて、ごくっと唾を飲んだ。

久しぶりの2人きりに、何も言わなくてもお互いに何を望んでいるのかわかる。

口を少し開き、顔を近づけていく。

今まで同じ空間にママがいた為、挨拶程度の軽いキスだった。

久しぶりの艶かしいキスをすると思うドキドキする。

晶斗の手のひらが頬を撫でたのを合図に、目を閉じて、唇を重ねた。

お互いに唇を食んで、何度も唇を重ねて深くなっていくキスに、お互いに熱っぽく吐息を漏らす。

私も晶斗の首に腕を絡ませて、もっととせがんでいた。

キスをしながら晶斗がネクタイを解き、ポイっとテーブルに投げ、スーツの上着を脱いだ晶斗の膝の上を跨がされた時、寝室から愛梨の泣き叫ぶ声が聞こえた。

甘い雰囲気が、一気に冷えていく。

軽く晶斗にキスをした私は、愛梨の元へ駆け寄った。

抱き上げてよしよしとなだめながら、晶斗の元へ。

彼は、愛梨のお布団を絨毯の上にひき、オムツとお尻拭きを準備してくれていた。

この1ヶ月で、晶斗が覚えて進んでしてくれる。

私の隣に立った晶斗は、愛梨の手を握り「あいり、ただいま…パパのところにおいで」
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