(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]

すると、一瞬だけ泣き止んだ愛梨。だが、また泣き出した彼女を、今度は晶斗が腕に抱き愛梨の顔を覗きながらあやしだす。

ぐずぐずとぐずる愛梨のオムツ替えまでしてくれた晶斗の腕の中で、愛梨はまだご機嫌が悪い。

「どうした?」

「お腹空いてるのかも」

乳が張り出してきたので、私はソファに座り愛梨に母乳をあげると勢いよくお乳に吸いついていた。

泣き叫ぶ愛梨には、困らされるばかりだけど、こうして一心に母乳を飲んでる姿を見ていると、とても愛しい。

晶斗は、横で愛梨を愛しげに見つめていた。

「かわいいな」

「うん」

お腹いっぱいになった愛梨はご機嫌になっていた。

愛梨のゲップが出たところで、ダイニングテーブルの横に置いたベビーラック(ゆりかご)に寝かせスイッチを回す。

なんと電動式で揺れてくれるのだ。初めは便利だと思ったものだけど、愛梨は、このラックでは寝てくれないので、ご飯時だけ使用している。

「私達もご飯にしよう」

温めるだけとなっていた晩御飯は、肉じゃがをメインに副菜にほうれん草とにんじんのナムル、豆腐とほうれん草のお味噌汁だった。晶斗は、お箸や取り皿を出してくれる。

仕事で疲れていても、こうして手伝ってくれるいい旦那様なのだ。
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