(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
奥さんにバレて、乗り込まれ頬を叩かれた時は、もう、彼とは終わりにしなければと決意した…が、私の決意は、好きな人を目の前にしたら簡単に覆ってしまうほど、彼への想いが強かったのだ。
結局、彼が私を嫌いにならない限り、離れるなんて無理だったのだと思う。
奥さんが、彼を繋ぎ止める為に隠した嘘が露見して、泥沼な夫婦生活だったと聞いたが、詳しくは話してくれない。
が、彼女は、彼を愛していたからこそ、バレる嘘をついてまで彼の側にいたかったのではないだろうか⁈
今、この幸せがあるからそう思える…
私達がいろいろと遠回りし、傷つけなくていい人を傷つけてしまった。
申し訳ないとか…罪悪感なんて、こちら側の自己満足でしかない気がするから、口には出さない。代わりに、晶斗と2人で誰もが羨む幸せな家庭を築いていこうと改めて思う。
「んっ、ボーとしてどうした?」
「…なんでもないよ。ただ、幸せだなぁって思っただけ」
「何言ってるんだか…まだまだこれからもっと幸せになる予定なんだからな。まずは、睡眠欲に満足したなら、次は、食欲だろ」
「顔を洗っておいで」と洗面所に促された。
そこに行けば、手の届く場所に洗顔フォーム、フェイスタオル、化粧水と準備されている。