(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
「今じゃなくて、優雅も小さな時は、よく泣いてたって話なの」
「ふーん。愛梨ちゃんもよく泣くの?」
「赤ちゃんは、泣くのが仕事なのよ」
「ふーん」
「でも、だからって泣かせたりするのはダメよ」
「はーい」
「あれくらいの歳になると耳年増で、余計なこと言えないのよ。すぐ、誰かに話ちゃうのよね」
苦笑した美晴さんは、話を続けていく。
「だからね、この日って決めて、母に優雅を預かってもらったの」
「預かってもらうって発想なかったです。でも、日にちを決めてしようっていうのも、恥ずかしいです」
「そう⁈それじゃ自分から誘ってみたら?」
「私から、ですか?」
「そう。エッチはしたい。でも人に愛梨ちゃんを預けるのも恥ずかしいってなると、望愛ちゃんから誘うしかないと思うわよ。直接じゃなくても、雰囲気で誘惑するの」
「誘惑ですか?」
「そう。それが一番盛り上がると思うの。少しは子育てに余裕出てきたんでしょ。すっぴんなんてありえないわよ。その服もダメ。身なりに気を配って女でいなきゃ、愛も冷めてしまうわ」
「えっ」
「ふふふ、びっくりした⁈どんな自分でも愛してくれない男なんてこっちから願い下げだけど、いくつになっても女でいなきゃ、夫婦生活はなくなるっていうわよ」