(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
「なに、想像してるんだよ。望愛のスケベ…」
「ち、違うし…」
「なら、なに想像したんだ?」
揶揄われてムスッとしかめ面をして唇を尖らせても、答えるまで揶揄ってくる。
ほんと、面倒くさい性格。
でも、そんなところも含めて晶斗なのだろうと最近思えるようになった。
一緒に生活するようになって気づいた晶斗の子供ぽい一面に、最初は戸惑った。
私の知ってる彼は、揶揄うことはあっても、ここまでしつこい人ではなかったように思う。
まぁ、性格の悪さは昔からだったけど…
「…しつこいとお礼無しだよ」
「そういう脅し卑怯だぞ」
そういいながらも、全くこたえてないらしく、私の頬をぷにぷにと摘んで遊んでいる。
「もう、やめてよ」
しつこさに、摘む手を振り解いて睨んでいた。
「お前、怒りぽいぞ」
些細なことにカチン…と頭にくる。
「怒らせてるのは誰よ」
「…悪い。仲直りしよ」
コツンとおでこを擦り合わせたら、仲直りの合図。
お互いにチュッと唇にキスして、微笑んで、また唇にキス…そしておでこをつけて仲直り完了。
妊娠してから、どうでもいいような些細なことでもイライラとして八つ当たりしてしまう私を、彼は怒らずにいてくれる。