(続編)ありきたりな恋の話ですが、忘れられない恋です[出産・育児編]
そんな彼の優しさに甘え過ぎ、一方的に怒るのは私ばかりだ。
怒ってくれてもいいのに…
実際、怒るとめちゃくちゃ怖いのは身をもって体験済みなのだけど、情緒不安定な私は、そこまで考えが回らないのだ。
「こっちこそ…ごめんなさい。怒ってよ…なんで怒らないの」
わんわんと泣きだす始末だ。
仲直りしたのに、怒れと言う面倒くさい私。
そんな私を抱きしめて、泣き止むまで背を撫でてくれる優しい手に、違う涙が溢れてくる。
「泣き止んだくせに、今度は何に泣いてるんだか」
「ブスになるぞ」と意地悪な脅しは、彼なりの不器用な優しさだった。
顔を冷やしに洗面所に行き、そのついでに隣の続き部屋になるランドリールームで、洗濯物を選別していたら、途中、布団を干すついでにシーツを剥がして持ってきてくれる気の利く旦那様だった。
ありがたい…だけど、予定外の仕事(ちょっとしたことだけど)が増えてしまい、1回で済む洗濯が増えてしまったと心の中でひとりごちるのだ。
まぁ、お天気だし、すぐ乾くだろうし、いいか…気持ちを切り替えて、その間お部屋掃除でもしようと廊下にでたら、掃除機の音が…
リビングで晶斗が掃除中だった。
気が利きすぎて、イラッとする。