卒業後もまた君と
彼女side
「───卒業おめでとう!またいつか会えるその日まで、成長した姿を楽しみにしてる!」
教壇に立って大粒の涙を流し、祝福と応援の込められた言葉を私達へ送る担任の先生。
私たちが3年生になって、学校のイベント事を成功させる度に、同じように号泣していたことを思い出す。
(そっか、私、もう卒業するんだ)
校庭に満開に咲く、綺麗な薄桃色の花の群れを上から眺めながらしみじみとそう思った。
思えば3年間はあっという間で、小学の6年間や中学の3年間とは比べ物にならなかった。
年数こそたった3年ではあるものの、中身の濃さが全く違う。高校の方が何倍も濃くて充実していて、だからこそより時の流れが早く感じられた。
交友関係は狭く深くをモットーに。
進路が違う友達も当然いるし、何気ない日常が終わってしまうことに寂しさを覚え、目がわずかに潤む。
死ぬわけじゃないんだし、家が近くて会おうと思えばいくらでも会えるのだから、泣くようなことじゃない。と、今朝方母に言われた言葉を思い出す。が、1度潤んだ瞳はなかなか乾いてくれず、困った。