卒業後もまた君と
とは言いつつ、なんとなく緊張でドキドキしている。
2人きりになることがあればついポロッと言ってしまうかもしれない。
なんとなくいい雰囲気……卒業式マジックで言ってしまうかもしれない。
なーんて、甘いことを考える。
いっそ勢いで言えたら楽なのかもしれない。
……勢いで言えるほどの勇気も度胸も持ち合わせていないけれど。
でも、せめてこれくらいは勇気を出して。
人気者である彼が1人になったタイミングを見計らって、3年間想い続けた彼の元へ歩み寄る。
「卒業の記念に写真撮ろうよ!」
「いいぞ。俺のスマホでいいよな。……はい、笑って」
かなり仲が良かったものの、想いがバレると断られるかもしれない、と。
なるべく気負わないように軽く誘ったらあっさりと受け入れてくれた。
スマホの内カメラに2人が収まるには肩が触れる距離まで近づかないといけないわけで。
───カシャッ
ドキドキと心臓は早くなり、顔が赤くなっていないか心配になった。