Dying music〜音楽を染め上げろ〜
「夏樹?大丈夫〜?」
んん........ん!?
ガバっと顔を上げる。目の前に彩音の顔があった。…ん?
「...寝てた?」
「うん、ガッツリ寝てた(笑)」
笑いながら彩音が言う。
もう帰りのHR終わったの?…完全に意識飛んでた。みんな帰り始めてるじゃん。一人だけ寝てたのかよ、ええ〜…
急いでリュックに教科書を突っ込んでロッカーに鍵をかける。
「待たせてごめん。行こう。」
最近はすぐ眠くなっちゃうし。ここまで深刻になるとまずいな。
はぁ〜〜…。
「夏樹、最近疲れてる?」
色葉が顔を覗き込んできた。
「え?」
「目の下、クマがすごいよ?」
彩音にも言われる。クマ?あ。
「…昨日の徹夜だ。」
数学のワークが終わらなくて1時までやっていたんだ。ワークから出題するって先生が言っていたから、どうしても一周目を終わらせたかった。無事、寝落ちしたよ。
「ちゃんと休んでね?テストも始まっちゃうし。」
「うん。ありがとう。」
…頑張ろう。
そこからは勉強漬け。学校がある日は居残って、色葉たちと勉強。夜も日付超えるまでやる。
数学のワークして古典の音読。ある日は、生物の生態問題を解いて、世界史の遺跡を覚える。
疲れたら、文化祭の演出セットを考えて気分転換。ギターは弾くと止まらなくなるから、一日一時間と決めた。
動画はもう用意したからテスト終わったら投稿するだけ。
Midnightの方はしばらく店内の手伝いのみ。
「あぁ、疲れる、疲労溜まりすぎ。」