Dying music〜音楽を染め上げろ〜
















そこから何とか4日間のテストを乗り切った。
現文と英語はまぁまぁかな。でも理系は散々だった。


土日を挟み、今日から部活再開です。









「久しぶりの部活だー!」




ハイテンションで準備する怜斗。あれ、コイツ赤点2つ取ったとか言ってなかった?切り替えエグ。



狭い多目的ルームにそれぞれの楽器の音が鳴り響く。まだ4人だからこの部屋使えるけど、人数増えたら入りきらないぞ。



各自しっかりチューニング、機材の準備をしたあどと、試しに一度合わせてみたのだが…











「バラッバラすぎてウケるw」


終わったあと恭弥が笑いながら言った。


「わかるwみんな音合わねぇwww」




テスト明けで鈍っていたのも重なったのかみんな音がズレまくり。怜斗は二番の歌詞間違えて、涼はテンポ走りすぎ、恭弥も間違えていた。俺は相変わらず不調だし。



でも、ミスっても笑うみんなを見て、俺だけじゃなかったんだってちょっと安心した。



そうだよ、夏休み明けで身体が追いついていないんだ。これから少しずつ、戻っていくものだよね。
















「夏樹一?アイス食べないの?」

「ギターするからいらない。あとで食べる。」



家に帰ってご飯を食べて課題を終わらせたらすぐに部屋に籠った。




早くいつもの状態に戻したい。コンディションを整えないとMidnightのステージには上がれないからな。バンドさんとのコラボもサポートもあるから迷惑かけられない。






一から基礎を見直す。そこから練習、練習の繰り返し。それが終わると、ギターを変えて気分転換しながら何曲か弾き続ける。


ヘッドフォンを通してギターサウンドを一音一音耳に流し込む。




  
🎵〜♪♫♬ーー…〜〜♪














「夏樹一、お風呂ー!」




お母さんから呼ばれる。もう10時か。7時から始めたから…3時間ノンストップだった。時間たつの早くない?



「今行くー!」





身体洗って、シャンプーして、コンディショナーして…湯船に浸かってマッサージして…。風呂に入りながら今日のことを振り返った。



さっきは、良かった。大丈夫、しっかり指も動いたし正確。テンポもズレていない。この状態でいくだけ。















次は、絶対元に戻っているはず。































って、思ってたのに。ーー




< 114 / 154 >

この作品をシェア

pagetop