Dying music〜音楽を染め上げろ〜
それから今日起こった出来事を話した。
メンバーとしたこと、自身のスランプ、そしてCyanだとバレたこと。
コードは途中で話を遮ることなく、最後まで俺の話を聞いてくれた。言葉が詰まっても、急かすことなく話し出すのを待ってくれた。
「何がきっかけでこんなになったのか分からないんです。やらないといけないのに、できない自分が大嫌い。」
一通り話し終わるとコードは口を開いた。
「今の話聞いて思ったのは、自業自得だね。」
自業自得。
その言葉が頭の中で繰り返される。
「だってその子は落ちていたリストを見て勘づいたってことだ。それは明らかにお前の管理ミス。バレたくないっていうなら、隅から隅まで対策しないとダメだろ。」
コードは続けた。
「あと、スランプでキツいのは分かるけれどそのテンションをクッツ下げているのは自分でしょ?こういう状態だからこそ一旦休んで、冷静になって自分を見つめなおさないといけない。
なのにCyanは戻らないで進むことばかり考えていた。違わない?」
違わない。当たってる。こんな風に焦って自滅していくのは自分。
「…随分言いますね。」
「同情がよかった?でもそんならのいらないだろ?」
そうだ。変な感めなんていらない。そんなことないよ、辛かったね、そんな生ぬるい言葉はいらない。
「みんなといるのが楽しいのは本当。でも関わり方が分からない。学校とか、教室とか、友達とか、嫌な思い出しかない…。友達って一体何なの。」
師匠が前話してくれた友達と仲間の違い。
それすらもよくわからない。
楽しいけど、心からの安心はできない。
自分のことを知られるのが怖い。
そこから始まる未来が怖い。
相手は近づいてきてくれるのに俺がここから先は踏み込んでこないで、って線引きをして距離を置いている。
自分以外の人間が敵に見えてしまう
みんな仮面被ってる
自分も被ってる
どこまで信じて、どこまで話せばいい。
本当のありのままで接することなんて俺にはできない
「…その嫌な思い出が邪魔して、人を信じることに抵抗があるわけな。」
その言葉に小さく頷いた。
「けどさ、お前が過去に関わってきた人間と、今関わっている人間は全くの別人だよ。」