Dying music〜音楽を染め上げろ〜

バスの中ー


この揺れが眠気を倍増させるんだよね。




♪ピコンｯｯ



でもそれはLINEの通知音によって消えた。




”師匠“からだ。





ー『今日の出番。CAN℃ 《キャン・シー》のギターコラボ。19時〜19時半。今日はバンド全3組。』



今日の夜のスケジュールだ。CAN℃さんね。はいはい。このバンド，ベースとドラム安定しているからいいよね。んで，俺はギターか。強めの曲だし，レスポールでいいかな。




まだ続きがあった。




ー『20時半からお前の出番。Aスタジオ取ってるから使え。』










やった、出番だ。めちゃくちゃ久しぶりの出番。


LINEを返す。




ー『了解です。Aスタ1時間前から入れさせてもらえますか？』

ー『分かった。何歌う？』




あ，曲決めないと。20分なら余裕持って3曲くらい？



何にしよう…


思いをそのまま。


今日の気分。





…驚き・ロック・クラスメイト・不安

よし，決めた。





ー『クラッシュエンド，HOW ARE YOU？，First KINGでいきます。』

ー『HOW ARE YOU ？って先週リリースされたばっかりだぞ？』
　
ー『覚えました。』

ー『喉は？』





喉⁇






ー『どうして？』

ー『クラッシュエンドで声量使って次に高音バラード，最後にまたアップテンポってキツくねぇか？』




…もしかして心配してくれてる？





ー『大丈夫です。だって俺はー








ー『俺は……なんですから。』








そのあと既読がついただけで返事は来なかった。

久しぶりなんだもん。少し無理してもいいよね