Dying music〜音楽を染め上げろ〜

もうこんな時間か。随分話込んだな。これ、お母さんに怒られるパターンかも。



「すみません、そろそろ帰ってもいいですか?」



電車の関係もあるのでそう声をかけた。



「じゃあ、最後に一つだけ。」




コードはカバンの中から一枚の紙を取り出してきた。




「来週の金曜日、〇〇区域全体でのバトルがあるんだ。Cyanも来ない？」

「バトル？」



紙を受け取って見る。




「そ。区にあるクラブでシンガーが集って歌うんだ。一対一のタイマン。ジャッジは会場のお客さん。」





そんなバトル聞いたことがない。ラップのMC バトルやダンスバトルは知っているが「歌」ってのは初耳。



「明日の夜までに連絡頂戴。てことで、LINE交換しよ。」




と、スマホを出してきた。断りようもなく、渋々LINEを交換した。






宗　ーシュウー　







衝撃すぎた。これ、本名…？


俺が交換したのはMidnightで使用しているスマホに入っている「ナツ」の方。音楽関係はいつもこれだ。



こいつ、プライベートと共用してるの？
ありえない。



「これ、本名ですか…？」

「そうだけど？」




マジか。いや、顔出ししてさらに本名まで晒すか？俺だったら死亡案件だ。




「こ、怖くないんですか？てか、仕事用の持っていないんですか？」

「別に。それに仕事用も持ってるよ。でも、俺ら同業者っしょ？それに俺、君の名前知ってるし、ナツキだっけ？名字は知らんけど。」





……ダメだ、もう訳わからん。深く考えるのやめよ。




「駅は一緒だよね？じゃあ一緒に行こう。夜道一人は危ないよ。」




ガキ扱いすんな。ブツクサそう思いながら支度を始めた。


準備していると、コードのカバンから何か飛び出てた。　


あれって制服？赤色のブレザー…


そういえばコイツも高校生なんだよな。全然見えない。

　　


………ーーーーー





「じゃあ、バトルの件よろしくね。」

「あと、Cyanことは絶対に他には話さないから安心して。」

「もし、一言でも他言したらぶん殴りますから。」

「うわお、言うね(笑）でも本当だから。」




バトル、ねぇ…、帰ってから考えよう。









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「何時だと思ってんのッッ！？」

「本ッッ当にすみませんでした....。」





夜11時過ぎに帰って無事、お母さんにカミナリ食らいました。