Dying music〜音楽を染め上げろ〜
どっちも一回戦突破したら二回戦で当たる。この二人で準決勝争いになる可能性があるということ。
こいつと、バトル…。
「まあ俺は余裕で一回戦突するけどさ。頑張ってね?」
そうだ、まずは一回戦目勝てないと次には進めないんだ。
それからバトルが始まった。
みんなレベル高い。お客さんも盛り上がっている。宣言通り、コードは相手に大差をつけて一回戦目を突した。そして俺も何とか突破。二回戦目、スタンバイしていると、
「ちゃんと上がってきたね。すごいじゃん。」
パチパチと小さく拍手しながらコードが現れた。
「どうも。」
「次、本気で来なよ〜?…………一」
「一 絶対潰すから。」
ヒュッ…。
その目力に息が止まりそうになった。いちいちビビっているな。いつも通り、歌うだけだろ。
ふぅ〜〜〜〜ッッ。
深呼吸をして名前を呼ばれるのを待った。
ーーーーーーーー……………
「続いては初バトルにして一回戦突酸!Cブロック、ジュンーーッッ!!!」
名前を呼ばれ、そのままステージに上がる。さっきよりも客多くね?
…考えんな考えんな。今は一
「そして、前回王者!Dブロック、シューートーー!!!」
目の前のコードに集中だ。
「バトル~…スタートぉっ!!!」
♩♩ーー🎵♬♩♪ーーーーーッッ♩‼︎‼︎‼︎‼︎
コードの歌声を真正面から受けて、まず頭によぎったのは、
圧迫死。
前の即興ステージのときの比じゃない。
すべてが重い。
荒々しい歌い方じゃないのに迫力半端ない。
音程も声質も完璧。
覚悟も想いも全部、全部乗ってる。
何種類声あるんだよ...。
それに目が、コードの目だ。
『かかって来いよCyan。』
そう言わんばかりの目。歌い終わってから軽く指で煽られる。
俺のターン。
♪ーー♩🎵🎵♬♪〜ッッ!!!!
喉、さっきよりも開いているから歌いやすい。でもいつもの感じじゃ、コードに潰される。できる限り、強くパワフルにいかないと。
アレンジも入れつつ、サビ前で観客に合いの手を要求。こうやって少しづつ観客を巻き込む。
♩♩ーー🎵🎶♬〜♪ーー!
俺の歌に彼せて自分の歌を重ねてくるコード。性格悪いな。同時に歌うと俺の音がかき消される。
クッソ、こうなったら…
♩♩🎶_♪ーーーーー♪♬‼︎
キーチェンジ。
もともとー4で歌っていた曲を原キーに戻す。喉潰し覚悟だ。
低音VS 低音だと俺は負ける。だから高音域で対抗していく。
♪ーーー🎶♩♪♬〜!!!!!!!!!
もうバトルも終盤。最後までーーーーー…