あの夏空の下、君と生きた七日間。
僕のサーブでまた、チームの調子を崩し、敗戦までも招いてしまったら。

そう思うと、胸の奥から恐怖が込み上げてボールを持つ手が震えだすんだ。まるで自分のものではないみたいに。

そして授業やテストの成績さえも、落ちてしまったというわけだ。



「じゃあ、俺が誓ってやる!」

赤木がボールを手に取りながら宣言した。

「何をだよ」

「白澄のボールがもう一度、ネットを超えた時。それはな……」

赤木はボールを宙へと放つ。それは軽やかにネットを超えた。

「お前が、バレーを好きになる時だ!!」

放物線を描いていたボールは相手コートに叩きつけられる。それを見た彼はドヤ、とでも言いたげな顔をこちらに向けた。

その顔がやけに逞しく見えて感銘を受けた。

しかし次の瞬間、不覚にも笑いが込み上げた。

何の前触れもなく、誰かが投げたらしいボールが、ドカッと赤木の頭にぶつかったからだ。
< 11 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop