あの夏空の下、君と生きた七日間。
ひっそりため息をついた僕は重たい足で体育館を後にした。


始業間近な時間。赤木と共に急ぎ足で教室へ駆け込む。そこはいつもより、何やら騒がしい雰囲気に包まれていた。

クラスメイトのほとんどが教室の中央へと集まり、ガヤガヤと盛り上がりを見せている。

何事だろうか。

まさか、何かの事件か?と勘ぐってみる。しかし、スマートフォンを手に持っている人は誰ひとりとしていない。

「もしや、今日来る転校生?」

賑やかな周りの空気を察したように赤木が聞く。その途端、なんだと拍子抜けした。たぶん、推理小説の読みすぎかなんかだろう。

「そうそう。その話をしてたの。さすが、生徒会ね」

中央にいたひとりの女子がそう言い、こっちに来て、と手招きをしてくる。その矛先はもちろん、僕ではなく赤木だ。

早々に取り残されたような気分を覚えながら、自分の席へと足を進める。

一番窓側の列の最後尾。

他の机はふたつにくっつけられたように並べられてあるが、そこだけにあるひとり席。

しかも、教室の端。
< 15 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop