無気力な日陰くんの溺愛が甘すぎる。
「ふぅん、それじゃあ朝比奈泣いて俺にお願いして。」


……、


「はい……!?!?!?」


「朝比奈にとっては貴重な告白断るんだよ?朝比奈の " せい " で。」



理不尽、理不尽すぎる……!!!

確かに私にとっては告白貴重なものだけど……!!


私が断ってって言ったけど……っ!!



「朝比奈がちゃんとお願いしないなら、俺付き合っちゃうよ?」



改めてお願いするってことが

どれ程恥ずかしいことか。



だから口をぐむーっと開けないでいると、



「……へー。生意気。朝比奈がその気なら仕方ないね。」



足をリターンさせて、

またあの子の所まで戻ろうとする日陰くん。



心底イヤだ、恥ずかしい、無理。

こんなことお願いするのなんて絶対にイヤだ。


頭ではそう思ってるのに、体は真逆のようで、






「待って、行かないで。告白、OKしたりしないで。日陰くん、っ、」



そう言って、


日陰くんのシャツの裾をキュッと掴んでいた。




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