好きになってもいいですか?
「アートがまさかくるみに恋するとはねぇ〜……。まあ、あの子可愛いししょうがない気がするけど」

アートがアリアにくるみを好きになってしまったことを伝えると、アリアは苦笑しながら話を聞いてくれた。

「それで?アートはこれからどうするの?くるみに告白をするの?」

アリアの問いに、アートは胸が痛むのを覚悟して答える。

「いや、この恋は実らないだろ。告白を仮にしたとしても、同級生や学生ならまだしも、二十三歳の男からだぞ。困らせるだけに決まっている」

しかし、くるみが他の誰かの隣で笑っていることを想像すると辛い。恋とは自分を駄々っ子のようにわがままにしてしまう。

「まあ、アートがそう決めたならそれでいいと思うよ。でも、くるみを傷付けるような真似は絶対にしないでね」

一瞬だけ真面目な顔を見せ、アリアは話す。想いが暴走して無理やり手を出すような真似をするな、そう言いたいのだろう。

「それはない!そもそも、そんなことをすれば俺が逮捕されることになる」
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