好きになってもいいですか？
「ごめんね。人見知りで恥ずかしがり屋なの」

アリアがそう言うと、くるみは耐えられなくなったのか、アリアの後ろに隠れてしまう。まるでリスやうさぎがオオカミに見つからないように一生懸命に隠れている姿がアートの頭に浮かび、アートは可愛いと思ってしまった。

露出の多い服をよく着るアリアとは真逆で、くるみは緑の上品なキャミソール風ワンピースを着ている。落ち着いた服装をしていることにホッとしつつ、アートは優しく声をかける。

「何か困ったことがあったら、いつでも俺に声をかけてね」

くるみは一瞬固まった後、「はい……」と小さく頷く。

あの写真で見た笑顔を、綺麗なあの目を、いつかちゃんと見ることができたらいいな……。そう思いながら、アートは廊下を歩いていく二人を見つめた。

アートがくるみの笑顔を見ることができるようになるのに、それほど時間はかからなかった。

アートの元にはほとんど毎日のようにアリアがやって来て、その隣に必ずくるみがいる。くるみはまだアメリカの学校に慣れないらしく、アリアのそばにいることが一番安心するらしい。
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