訳アリなの、ごめんなさい
「私が、彼女の本音を探ればよろしいのね!」

話を聞いたセルーナ妃は目を輝かせて、妖艶に笑った。

「頼めるかい?」

殿下の問いに彼女はとても楽しそうに肩を揺らす。

「ふふふ、お任せくださいな!」

「私の妃は頼もしいな」

殿下の言葉に、妃がチラリとこちらを見上げた。


この人達は、おそらくここで自分が何かを言っても止まらないだろう。

「妃殿下のお手を煩わせて申し訳ありません」

ついでにアリシアの本音が聞けるのなら、それに越したことはないと思い直して、頭を下げると


「ふふふ、私こういうの得意でしてよ!結果はどうであれ、間違いなく聞き出してみせましてよ!」

結果はどうであれというところに女性の深さを感じるものの、「よろしくお願いします」とお願いをしておくしかなかった。
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