ありがとうを、君に
「はっ、やばい10時40分だ!」


急いで家を出なくては、11時待ち合わせって言ったのは自分なんだから!

5月の風が心地よい。本日は晴天だ。

お出かけ日和だった。気分は高揚し、スキップを踏みたくなってしまう。

いつも玲香と待ち合わせする喫茶店は、アンティークの小物が置いてあったりして落ち着きがありつつ、可愛らしい小さなお店だ。

あまりガヤガヤしていないので、ファストフード店で待ち合わせするよりも好きな場所。


「ふぅ、間に合ったぁ。玲香はまだ来ていないかな?」


カラーン


喫茶店のドアを開けると、ベルが鳴る仕様になっている。


「いらっしゃいませ。1名様ですね」


「あっ、友人と待ち合わせしているので後からもう1人来ます」


「かしこまりました。こちらへどうぞ」


案内されたのは窓際のテーブル席。

丸い木製のテーブルに、3つ椅子が並べてある。

< 20 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop