ありがとうを、君に
「なんて話しかけるの?」


「うーん、そこが悩みどころなんだよね。ハンカチとか目の前で落としてみちゃおうかな!?」


「いや、ベタすぎー!あはは」


そんなこんなで、喫茶店についてから3時間が経とうとしていた。

女友達同士だと、やはり話に花が咲くから一緒にいて楽しい。

時間の経過など忘れてマシンガンのように語り尽くす、これが私たちのお決まりだった。


「はぁ、結構話したねー。次どこに行く?」


玲香が切り出した。


「じゃあ、私17時から予定あるからあと3時間くらいショッピング付き合ってよ!」


「えーなになに、17時からデートかぁ?」


玲香にそう言われ一瞬ドキッとした。楓人くんと遊ぶだなんて言いにくすぎる…。


「デートじゃないよ!」


そう言うのが精一杯で。

デートじゃないと自分で言い切ったくせに、2人でご飯=デートでは…?と思っている自分もいる。

< 26 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop