ありがとうを、君に
「ふふっ…泣いたり笑ったりごめんなさい、お兄さん。不思議な状況すぎておかしくって」


「本当だよ、君の感情は忙しいね」


少し呆れられながらも、お兄さんは笑っていた。

そこから少しだけ、お兄さんとお話をした。

お兄さんは22歳で、名前は楓人というらしい。

私は20歳なので、2つ年上だ。


「胡桃の家はどこなの?近くまで送るよ、もう夜だし」


そう言われて思い出したが、私はここがどこなのかわからなかった。


「えっと…私の家?どこだろう…??」


「待ってそんなことある!?どうやってここまで来たの!」


私が迷子なのが相当面白かったのか、楓人くんはお腹を抱えて大笑いしていた。


「もーそんなに笑わないで…」


元彼以外の男の人とこんなに話したのはいつぶりだろう。

なんだか新鮮な気持ちになった。
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