ありがとうを、君に
だからあくまで、異性の友達。

その距離感だけは、一定に保たなくてはならない。


「はいお客さん、着きましたよ〜」


色々と考えているうちに家の前に着いたようだ。

料金を支払い、タクシーを降りる。


キーーーーーーーン……


鈍い音で耳鳴りがした。薬を飲まなくてはならない。

胡桃の前で薬を飲むわけにはいかないんだ。

まだ、知られてはいけない。

できるところまで隠し通したい。


「ただいま」


「おかえり楓人!今日薬持っていかなかったの!?」


なぜバレている、よりによってこのうるさい母親に。
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