ありがとうを、君に
『ちょっと何言ってるか分からない(笑)
また今度ナポレアーヌ連れてってね!
ご馳走してくれてありがとう! 』


はぁ、なんて素直な良い子なんだ胡桃…。

胡桃にならいつだってご馳走しちゃいたくなるよ。

こんな良い子を泣かすなんて、改めて胡桃の元彼は許せん。

きっと目の前にいたら殴っている。

明日も仕事だからそろそろ寝ないとなぁ、お風呂入ってくるか。

薬のおかげか、いつの間にか耳鳴りは治まっていた。

まぁこれもいつものことだ。

湯船に浸かるのが面倒臭いので、シャワーで済ませてサッサと布団に入った。

医者に余命宣告をされても尚生きている、こんな図太い俺でも、眠りにつくときは未だに怖い。

今朝は大丈夫だったが、明日は大丈夫だろうか?

俺が今からいつものように眠りについたとして、明日の朝目が覚める保証などどこにもないのだ。

毎晩毎晩、この恐怖と戦いながら眠る。

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