ありがとうを、君に
「ねえ母さん、俺の携帯はどこ?」
「あ、それなら棚の上に置いたよ、花瓶の横」
左側には点滴があるが、右腕は無傷でなんの問題もなく使えるので、携帯を取って開いた。
時刻は17:20と表示された。
一通のメッセージが届いていた。胡桃からだった。
『楓人くん明日は土曜だけど
お仕事お休みなら会えないかな?』
きっと昨日話した喫茶店に連れていってくれるつもりだったのだろう。
行きたい気持ちは山々だが、俺は今こんな状態で。
入院がいつまでかも分からないから、返信ができなかった。
既読だけ付けてメッセージを返すことはしなかった。
しばらく胡桃と会えなくなる、そんな予感がしたからだった。
「あ、それなら棚の上に置いたよ、花瓶の横」
左側には点滴があるが、右腕は無傷でなんの問題もなく使えるので、携帯を取って開いた。
時刻は17:20と表示された。
一通のメッセージが届いていた。胡桃からだった。
『楓人くん明日は土曜だけど
お仕事お休みなら会えないかな?』
きっと昨日話した喫茶店に連れていってくれるつもりだったのだろう。
行きたい気持ちは山々だが、俺は今こんな状態で。
入院がいつまでかも分からないから、返信ができなかった。
既読だけ付けてメッセージを返すことはしなかった。
しばらく胡桃と会えなくなる、そんな予感がしたからだった。