ありがとうを、君に
両肩に大きな漬物石でも乗せられたかのように、重かった。

気分が優れず、吐き気を催した。

母親に言って、いつでも吐けるようにとビニール袋を取ってもらった。

なんで俺は、健常者じゃないんだ?

生まれつきの病気なんてなぜ存在する?

なぜ、完治しない?

入院するということで、改めて自分の人生は死と隣合わせであるということが嫌という程わかる。

毎晩怯えて眠らなくてはならないのも、毎日欠かさず薬を飲まなくてはならないのも、全部この持病のせいだ。

こうなってしまうと病気であるということが、心底嫌になる。

俺はこれからどうなるのだろう。

胡桃に会いたい。

会って天使のような笑顔で俺を癒してほしい。

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