ありがとうを、君に
私もいつか、こういう憧れられるような上司になりたい。


「じゃ、また明日ね〜!お疲れ様!」


「お先に失礼します、お疲れ様です!」


岸本さんは残業していくようだった。偉いなぁ。

バスに乗り込み、1番後ろの席に座る。

会社前のバス停から家までは、およそ20分だ。

現在時刻、18時15分。

帰ってご飯を食べ終わった頃に、楓人くんから電話がかかってくるだろう。


「はぁ、疲れたぁ」


思わず零れた独り言。

前の座席に座っていた男の人がクスッと笑った。

かと思うと、こちらを振り返り話しかけてきた。


「キミもこの時間帯のバスなんやな!お互いお疲れさんや。俺も今日の営業先はごっつ疲れたわ〜」


か、関西弁!?そしていきなりのタメ口!

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