そんなに翻弄して私をどうしたいんですか
「え……?」


なんで。なんでこの人がここにいるの。


「まあ俺は今日しか担当しないみたいなんだけど。ごめんね、びっくりするよね。今日だけよろしくね。」


「は、はい……。」



私が今座っている場所は通いはじめて半年経つ個別塾。


この横に座っているあおい先輩は…この間まで先生を挟んで隣に座っていた先輩。


高校は違う高校だったけれど
分からないところがあったら先生が少し不在の時は教えてくれたり、塾に慣れてない最初の頃話しかけたりしてくれた優しい人。


が。卒業したはずの今。なんで横に座っているのか。


「いやーバイト誘われちゃってさ、まあ俺も思い入れの強い塾だし、オッケーみたいな?俺のこと覚えてた?」


「半年も一緒に授業受けてたのにそんな簡単に忘れませんよ!」


少し勢い良く答えるとせんp…先生はフッと笑った。


「そっか、嬉しいな。これから改めてよろしくね、羽瀬川さん。」


本日。
憧れの先輩は塾の先生になって帰ってきました。
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