そんなに翻弄して私をどうしたいんですか
塾を出て少し歩いたところが今日の待ち合わせ場所。


あ、見つけた。


「おーい!」


ん?
なにこの空気。
なんか空気悪いのは普段空気を読むのが得意じゃない私でもわかる。


「なあかなえ、俺、やっぱりお前とは友達でいたい。」


えっと…どういうこと、?
まだ一歩も歩いてないよ?
挨拶の前にトモダチデイタイ?


私もしかして今振られてる?


「ほんとごめん、俺から告白したくせに。
お前と一緒にいるとどうしても中学の友達だった頃ばっかりで。
彼女として見れない。ごめん。」


だめだ、ここで泣くのはキャラじゃない。


悔しいしよくわからないドロドロした気持ちで言いたいことなんてクソほどあるけど


「それが後悔しない選択ならそれでいいよ!
私のことは気にしないで!


そりゃもうちょっと彼女に見られる努力はしといたらよかったななんて後悔はあるけどさ!


そっかー、友達感強いよね、私こそごめんね。
じゃあまた明日からは友達として!普通に!よろしくね!」


だめだ、泣く。


「じゃ、じゃあね!」


逃げよう。


勢いよく走った。


2人で歩くはずだった帰り道なのにな、なんて考えながら。


少しだけ頬を濡らしながら。


全力で走った。




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