ふたつの愛し方
「それで、いつ行くんだ?」


「これからだな。話は朱希と聞きに行ったから。早ければ半年後」


「そうか……半年間、出来る限りゆっくり休めよ。シフトは俺が調節する」


ありがとう、英介がそう俊也に言った後…ーー、

美和を見た俊也は、これから少し忙しくなる、と。

支えてくれよな?と、甘えるような声で言うんだから。

美和は、もちろん、と俊也に横から抱き付く。


そんな二人を微笑ましそうに見ていた英介と、自然と視線が重なって笑っていた。


英介が居なくなれば、今までとは比べられないくらい俊也は忙しくなるし、負担も掛かる。

院長代理の肩書きも背負うことになる。


だけど、美和が居ればきっと大丈夫!

美和も底無しの大きな器を持っているから。

どんな俊也でも受け止めて、支えてくれる。



その日の夜ーー帰ってから、本当に着いて来るんだな?

湯槽に浸かりながら、英介に訊かれた。


「こうやって、ちゃんと湯槽になんか浸かれないぞ。何日もシャワーさえも浴びれないかもしれない。食べ物も口に合わないかもしれない」


「しないよ。そんなのわかってて、英介と一緒に居たいから着いてくの」


そうか、と笑ってくれた英介は、今日は朝まで甘やかしてやる。


それは、つまり朝まで英介に抱かれるという意味で………

夜明けまで英介に身体を弄ばれて、私も英介の身体を弄ばせてもらった。

何回、絶頂を味わったかわからないくらい。
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