ふたつの愛し方
英介……1年半、お疲れさま。

朱希もな。よく着いて来てくれた。
ありがとう。

感謝するのは私の方だよ。
たくさんの経験をして、人の温かさをもらえた。ありがとう。

そうか。お互いに良い経験をしたな。
これからは、また院長に戻る。
朱希は変わらずにオペ看として、俺を支えてくれ。

うん!任せて!


言葉を交わさなくても唇が重なってーー…、


「1年半、おあずけだった分……朱希を俺にくれ」


「うん……英介を私にちょうだい」


日本に帰って来ている間も避妊薬をストップしていて、避妊具もなくて身体を重ねて居なかった。


埋め合わせるように、お互いの身体の隅々まで味わってーー…、

呑んだ?

帰国して直ぐに呑んだよ。

こんな会話をして、英介をそのまま受け入れる。


1年半ぶりの快感は、もう止まらない。

何回、愛してるって言っただろう。

何回、名前を呼び合っただろう。

英介の甘い吐息も何回、聴いただろう。

最後はもう……声さえも枯れて……何とか声を絞り出して、、、

英介……愛してる。

俺も……愛してるよ、朱希。


お互いに起き上がれないくらい身体が力尽きた頃には、カーテンの隙間から朝日が射し込んでいた。
< 104 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop