ふたつの愛し方
「飯食って寝ようぜ……さすがに疲れた…」


「そうだね……残り物でいい?」


何でもいい、と言ってくれた英介と私の部屋で、ご飯を食べて片付けを済ませると。

シャワー入ったら俺の部屋な。


「なんで?」


「俊也が言ってただろ?終わったら連絡するからって。3人で俊也の飯を食うんだろ?」


「そうだけど……英介の部屋に行かなくても……」


「二人で連絡あってから直ぐに行けるだろ?呼びに行くとか面倒なんだよ」


英介らしいんだけど………

何もしない?

さぁな、と返されて。

する体力ないよ。

キスくらいはさせてくれよ、と言って。

あとでな、と自分の部屋に帰って行く。


結局、私は英介の温もりを求めてる。


シャワーを浴びて、ルームウェアのまま英介の部屋へ。

洋服と化粧品と鞄を持って。


出迎えてくれた英介に腕を引かれて、ベッドルームへ連れて行かれて。

腕を離されて、来いよ。

寝転がった英介の腕に頭を乗せると、唇が塞がれて、だんだん深くなるキスに甘い声が漏れてしまう。


「キスだけで……感じてんのかよ……する体力ねぇんだろ?」


「……ないよ……だけど……英介がそんなキスするから……」


「はいはい……俺もさすがに無理だけど……あと少しだけ……」


うん、と自分から唇を寄せると、フッと笑って唇を重ねてくれる。


身体の奥が熱くなって、英介に触れたくなる、もっと。

だけど、眠気と疲労感には勝てずに………

英介の甘いキスに酔いしれながら、夢の中へ落ちていた。



ねぇ………英介、大好きだよ。

夢の中で私は幾度となく呟いていた。

その呟きが寝言として、英介の耳に届いているとも知らずに。

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