ふたつの愛し方
英介は朱希を起こし慣れてるようで。
耳元で、朱希、と頭を撫でると。
ゆっくり瞼を開けた朱希に、起きた?
頷いた朱希は英介に、起こして、と手を伸ばすと、身体を支えて起き上がらせていた。
英介の声も仕草も、もの凄く優しい。
申し送りを終えてから、手術室に寄って、林さんに朱希の足の事を説明して、医局に戻る。
「林さんには話しておいた。気にかけるように、他の看護師にも伝えとくって」
医局に戻っていた英介に話すと、わかった。
ところで英介は帰らないのか?と訊くと、お前こそ。
「仕事が残ってるんだよ」
「俺もだ」
医者の仕事には事務作業もある。
電子カルテ整理は看護師に任せているが、手術になった経緯や術式、治療経過を纏めるのは医者の仕事。
英介もまだ、その残ってる仕事が残っていて、深夜の手術後の容態も主治医として気になるんだろう。
たぶん、俺もだけど……朱希の事も心配してる。
俺も英介も過保護なのはわかってる。
それだけ、大切な存在ってこと。
その後、英介は術後の容態を見に救命に行った。
俺は、医局のソファーで横になる。
他の医者に、少し寝かせてくれ、と。
俺が寝ていると思ったのか、朱希の事を田中先生が研修医と噂していた。
可愛いだとか……俺と英介が羨ましいとか。
確かに、朱希は可愛い顔で30歳を過ぎて居るようには見えない。
華奢だけどスタイルはいいと思う。
そんな上部だけの朱希を見れば、好きになる奴はいるだろう。
朱希は、そういう所は鈍感だけど。
耳元で、朱希、と頭を撫でると。
ゆっくり瞼を開けた朱希に、起きた?
頷いた朱希は英介に、起こして、と手を伸ばすと、身体を支えて起き上がらせていた。
英介の声も仕草も、もの凄く優しい。
申し送りを終えてから、手術室に寄って、林さんに朱希の足の事を説明して、医局に戻る。
「林さんには話しておいた。気にかけるように、他の看護師にも伝えとくって」
医局に戻っていた英介に話すと、わかった。
ところで英介は帰らないのか?と訊くと、お前こそ。
「仕事が残ってるんだよ」
「俺もだ」
医者の仕事には事務作業もある。
電子カルテ整理は看護師に任せているが、手術になった経緯や術式、治療経過を纏めるのは医者の仕事。
英介もまだ、その残ってる仕事が残っていて、深夜の手術後の容態も主治医として気になるんだろう。
たぶん、俺もだけど……朱希の事も心配してる。
俺も英介も過保護なのはわかってる。
それだけ、大切な存在ってこと。
その後、英介は術後の容態を見に救命に行った。
俺は、医局のソファーで横になる。
他の医者に、少し寝かせてくれ、と。
俺が寝ていると思ったのか、朱希の事を田中先生が研修医と噂していた。
可愛いだとか……俺と英介が羨ましいとか。
確かに、朱希は可愛い顔で30歳を過ぎて居るようには見えない。
華奢だけどスタイルはいいと思う。
そんな上部だけの朱希を見れば、好きになる奴はいるだろう。
朱希は、そういう所は鈍感だけど。