ふたつの愛し方
Episode:9
美和に相談する?

俊也に訊いてみる?

そうこう考えてる間に、美和とは時間も合わずに。

俊也も忙しそうで、ゆっくり話す時間もなくて。

クリスマスは、1日遅れで3人でご飯を食べて。

大晦日は偶然にも3人とも、日勤で近くの神社に初詣に行った。


どうか英介が私の側から居なくなりませんように。

3人でずっと変わらずに過ごせますように。


贅沢にも、2つもお願い事をしていた。


俊也と別れて、英介の部屋に帰ると身体を繋げる。

朝日が昇るまで何度も。


そんなに求めなくても私は居なくならないよ?

英介以外の人に抱かれたりしないよ?

私が大好きなのは英介だけだよ?


快感の中で、何度も呟く。


ねぇ、わかってる?

求めてくれるのは嬉しいけれど、求められるだけ不安になるって。

もう気づいてるよ。

鈍感な私でも、英介も私を異性として好きだって。

だからこそ、何を隠しているのか。

何を考えているのか不安になるんだよ。


訊いてしまえば、こんな不安も消えるかもしれないのに………訊いたら余計に不安になる気がする。

その私の気持ちを知っているから、言ってくれないのもわかってるから、尚更訊けない。


相変わらず、不安な日々の中。

真冬になると増える、手術の回数。

緊急呼び出しの回数。

一緒に寝れる時は、8階の仮眠室で、英介のベッドで、私のベッドで抱き合って眠っている。

さすがに、身体はお互いに怠くて、英介が求めてくる回数も以前に戻っていて。

私からも、どうしようもなく英介が欲しい時に求めれば応えてくれるから、その時だけは不安が消える。
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