ふたつの愛し方
英介の指が引き抜かれると、ドロッと液体が溢れ出して、その液体の付いた指を英介が口に含んで舐めた仕草に、また液体が溢れてくる。


一度、達したにも関わらず私の中は、英介を欲している。


「……英介……欲しい……」


「上に乗れよ」


寝転がった英介に跨がって、また屹立したモノを咥え込む。

腰を掴んで動くと、胸を強く揉んでいた手を首に添えて、強引に引き寄せられる。

身体を英介に預けて、舌を絡ませてキスをしながら、絶えず腰を動かしていると、下から英介に突き上げられる。

キスをしているせいで、声を出せない代わりに、んっ、と吐息が漏れた。

お互いに腰を動かして、深くキスをしながら求め合う。

唇を離すと、朱希、と艶っぽい声で言われて、ん?


「大好きだよ」


繋がったまま反転させられて、もう一度。

大好きだよって言ってくれた瞬間に、最奥を突かれた。

吐息混じりに、私も大好きだよ、と伝えると。

一緒にイクか?

うん、一緒がいい。

お互いに一番感じる場所を攻められて、ほぼ同時に快感に震えた。


足を絡めて、隙間なく裸の身体を密着させて、抱き締め合う。

余程、疲れていたんだろう。

英介はすぐに寝息を立てて眠っていた。


それから、目が覚めたら抱き合って、眠ってを何度も何度も、繰り返していた。


この日、英介におねだりして、Tシャツを1枚もらった。

英介も、何か朱希のもくれよ?

同じフレグランスの柔軟剤には、まだ変えてなかったから、

いつも枕に敷いてるタオルをあげた。

抱き締めて寝るよ、と言ってくれた英介。


やっぱり、柔軟剤は今のままでいい。

英介が……安心するって言ってくれた匂いだから。
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