ふたつの愛し方
何様なんだろうか。


美和から聴いて、橋本先生に対して溜まっていたモノが溢れ出した。


もう少しでボロが出るって、英介は気付いているのかわからないって、美和は言ってたけど。


英介なら気付いてるよね。


だから、抱いてまで……その気にさせて、溺れさせて残酷に捨てようとしてるんだよね?


大切な人には、愛情も友情も惜しげもなく懸けれる人だけど、敵と見なした人や大切な人を傷つけようとする人には、恐ろしく残酷になれる人だから。



大学の時も、私に牙を向けて暴行しようと企んだ女の子を、今と同じように残酷に捨てたことがある。

2度と朱希に近づくな!近づいたら、お前の大切な物を全て奪ってやる!

あの時の瞳は、恐ろしく冷たかった。



今度は、何を奪うつもり?

暴くつもり?



お願いだから、無茶はしないで。

自分の身を危険に晒すようなことはしないで。



俊也や美和が居てくれても、英介じゃないと………

貴方が傍に居てくれなければ私は生きて行けない。

生きてる意味がない。


英介に、危害が及ぼすくらいなら私に危害を及ぼしたらいい。

容赦なく残酷に、英介に切り捨てられたらいい。

私を嘗めないで。

私だって守られてるだけの女じゃない。

大切なモノ、愛する人のためなら鬼にだって蛇にだってなれる。


いつでも、かかって来なさい。

相手をしてあげるわ。
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