ふたつの愛し方
全部、片付いて……やっと朱希を迎えに来れた。

長い間、待たせてごめん。

辛い、寂しい、苦しい思いをさせてごめん。

この期間の分は、俺の一生かけて償っていく。

今までよりも深い朱希への愛情で。

だから……俺と付き合ってほしい。

看護師として俺を支えてほしい。

…………ーーー………。


「はい……英介は私じゃないとダメだもんね……もう一生、離れないから。愛してる?」


「愛してるよ……朱希」


お互いに額を合わせて、微笑み合ってキスを交わす。

何度も何度も重なっては離れて、甘くて深いキスに変わっていく。


「する?」


「したい。連れてって」


腕を伸ばすと、抱え上げてベッドに連れて行ってくれる。

幾度となく抱き合って来たベッドは、数ヶ月ぶりで懐かしく感じる。


待っててくれるか、と言われて以来の身体の温もりを確かめ合うように、余すことなくお互いの身体にキスをして。

瞳が合えば微笑み合って、戯れるように擽り合って、またキスをして。

ひとつに重なれば、絡み合う熱が一瞬にして溶けてしまう感覚が、もう堪らない。


「……朱希……しばらく……このまま……」


「うん……このまま……」


英介も同じ感覚なんだと思うと、嬉しくて背中に回した腕に力を込めて、唇にキスをする。

答えるように、髪を撫でながらキスを返してくれる。


「……愛してる……」


「……愛してるよ……私も……」



態勢を何度も変えて、繰り返される律動の中…ーー。

ドロッとした液体が、太腿に流れ落ちる。

英介は味わうように時々、力を入れて角度も変えるから、私の中の痙攣は止まることを知らず………絶頂が終わらない。


一際、大きな絶頂と共にーー…。

英介の親指に小さな突起を押し潰された瞬間ー…、ぎゅっと握り潰すんじゃないかと思う程に、中が強く痙攣する。

中だけじゃなく、英介に抱えられていて宙に浮いていた足先まで、びくびくと揺れたと同時に、英介の熱い液体が私の中に強く放たれた。


荒い息を抱き締め合いながら整え終わると、指先で私の髪を弄りながら…ー…、


「朱希……ここに一緒に住まないか?」


「……違約金が発生するでしょ?」


「そんな心配はいらないよ。俊也の住んでる隣のマンションも、ここも俺が親父から引き継いだマンションだから」


「そうなの?!だったら、一緒に住みたい!」


決まりだな、と口元を綻ばせて、柔らかいキスをくれた。



朱希……この世は、どうやら俺の望んだ通りになるらしい。
もうひとつ望むなら、死ぬまで朱希の傍にいることだな。悪くないよな?

悪くないよ。
ずっと死ぬまで傍にいるよ。
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