HEART ~second ~
急いだ様子の足音はこの部屋にだんだん近づき、そしてドアが少し乱暴に開けられた
遥太「はぁはぁ…っ龍太っっっ!」
振り返ると汗だくの遥太がいた
「悪かったな、遥太」
遥太はゆっくりと呼吸を整えながらも少し慌てたように結愛が眠るベッドに近づいた
遥太「状態は?」
遥太は結愛の首元に指をあて脈を取りながら尋ねてきた
「SpO₂96、血圧は72の109、心拍72の頻脈気味だが落ち着き始めてる
心拍が弱かったから強心剤を投与
それから俺が着く前に結愛自身で吸入している」
遥太「解熱剤は?」
「入れてない。薬入れる方がきつくなるだろ」
遥太「違いない」
「あと、必要なものはあらかた用意した
家にあるものは好きに使ってくれて構わない」
遥太「あぁ、そのつもりだ
よし、あとは任せろ。原因追求もしておくし、必要なら病院にも連れていく
お前は会議に戻れ」
こいつは本当に肝心な時に役にたちすぎる。
「恩に着る、遥太
……結愛……、ごめんな」
眠る結愛にそっと声をかけて急いで会議へと足を向けた
若頭、黒崎龍太として。