HEART ~second ~
「はい、いいよありがとう」
服を簡単に戻しながら体温計を脇に挟ませた
「……呼吸しんどいね
今薬入れるからね。他にしんどいところある?」
握られなかった
ピピピ、と音がした体温計を取り出し、見てみると38.4の数字
体力的にキツそうだが多少は熱が下がってくれて安心した
「わかったよ
薬追加しておくから、もう少ししたら楽になるからね
経口補水液だけ頑張って飲もうか、5口でも飲んで欲しいな」
俺は常温に戻しておいた補水液のペットボトルの蓋を開けて結愛ちゃんの口元に近づけた
ペットボトルを倒して少しずつ口に入れていく
喉が乾いていたのか、5口どころかペットボトルの3分の1も消えていた
「結愛ちゃん、1回ストップしようか
気持ち悪くなるといけないから、少しずつ飲もう
でも、いっぱい飲んでくれてありがとうね」
俺は補水液の蓋を閉じてテーブルに置いた
「結愛ちゃん御手洗は行っておかなくて大丈夫?」
俯きながら頷いた
「よし、じゃあお部屋に戻ろうね」
失礼、と声をかけて力の入らない彼女を横抱きにし、部屋に連れ戻した