あなたの目にこの星空が    映りますように。
「〇〇病棟 実習指導者の鈴木です。」

私は何故だかとても嬉しかった。

いや、実習指導者が男性の時は優しいことが多いからラッキーだとか、そんなんじゃなくて、そんなんじゃないけど嬉しかった。

鈴木指導者に病棟の案内をしてもらっている時、私は今までにないくらい集中した。

彼が一瞬、マスクを外す瞬間を見逃さなかったのだ。

高い鼻ときれいな形の唇。

優しい口調で話す彼はとても輝いていた。

病院実習は全部で12日間。

月曜から金曜の間で水曜日だけ学校で過ごす。

これを3週間繰り返すのだ。

この12日間、私は鈴木指導者を眼福に実習に来るんだ!!!

なんとも不純な動機ではあったが初めて憂鬱な気持ちが消えた瞬間であった。

実習1週目は患者さんとの関係を築いたり、疾患を勉強したり、病棟のスケジュールを覚えたりと怒涛の日々だった。

2週目になった時だった。

「学生のロッカーを広くする為に机を運ぶんだけど、誰か一緒に来てくれるかな?」
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