燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「……まったく。これでも抑えてるって言ってるよね」
「んんっ……!」
唇がまた合わさり、次は舌が口内に入り込んできた。私は目を白黒させて、でも、先生のキスになんとか応えようとする。そのうち、身体全体が、苦しくて、熱くなって、私は思わず目をぎゅう、と瞑った。
「せ、先生……」
「そろそろ名前で呼んで?」
「え……」
「呼ばないとこれ以上のこと、するよ」
先生の指が首筋をなで、鎖骨に降りる。
私はビクン、と身体を震わせて先生を見た。
先生の目は真剣だ。本気……?
先ほどから玄関わきの壁に背中が当たっていて、逃げられるような状態ではない。