燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「頭、痛い……」
「大丈夫?」
「大丈夫」
私は、そっと先生から離れて座る。
心配させないように微笑んでみるけど、うまくいかない。その間も頭の中は、ドラム缶を棒で叩いたみたいにガンガンと音を立てていた。
―――その一瞬、見えた場面。
それはこの部屋で。
私は裸でひどく泣いてて、目の前には同じように裸の先生がいた。
―――ねぇ、これは、どういうこと?