燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「未来なの⁉ 車飛んでる⁉」
「10年じゃそんなに変わらないけど……」
ふーん、そんなもの? もしかして、あたしの想像力の欠如?
えっと、つまり、これはタイムスリップじゃなくて……。
「そうなの」
「それにしても、意外に受け入れが早いね」
拓海は苦笑する。
「だって、これは夢なんでしょう?」
あたしが言うと、拓海は驚いたような顔をした。
夢なら全部説明がつく。
タイムスリップしたことだって、婚約者がいるってことだって、全部。
まぁ、夢にしてはちょっと鮮明だけど、割と鮮明な夢をみるタイプだったので違和感はない。