燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


「つばめちゃんはそれ、しらなかったのね」
「うん。それに、デートは月一回。カフェで。それだけ」
「『入籍するまでは清い交際で』だもんね」

 それも拓海に教えてもらった。
 お父さんッてば、過保護すぎだ。


「そう。僕は、つばめの唇とか、まつ毛とか、髪とか、うなじとか、そんなところばっかり見て、あぁもう変態だよね、と思いながら、必死で涼しい顔してコーヒー飲んでた。どうせどの味飲んでも一緒だからずっとブラック」
「あははは!」

 これはいつかつばめちゃんに教えてあげたい。
 きっとつばめちゃんは、拓海がブラックコーヒーが好きだと思ってるはずだ。


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