燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

「もし、つばめちゃんの記憶が戻ったら……入籍してるし、心底驚くだろうね」
「そうかもしれない」

 あたしは拓海の頬に触れる。
 その暖かな頬から手を離すのが惜しくなる。


「戻ると……思う?」
「……こればかりは分からないね」
「そっか。そうだよね」

 あたしが言うと、拓海は少し考えて、あたしの唇にキスを落とした。
 でも、それ以上は何もしてこない。

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