燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
そのまま後ろから抱きしめられたと思ったら、ちゅ、と頬にキスされる。
あたしはぐるりと後ろを向いて、拓海に抱き着いた。
「拓海」
「ん?」
「ちゃんとキスして」
「うん」
唇が重なって、少しして離れる。
名残惜しいなぁ、とその唇を見つめていたら、もう一度キスされて、そのまま深いキスになった。口端からこぼれた唾液も舐めとられて、拓海が妖艶に笑うと、あたしの胸はドキリとする。そのまま拓海はあたしをそっと組み敷いた。
「拓海?」
「なんかごめん。やっぱり一回そういうことすると、我慢してたぶん……タガ、外れるんだね……」
拓海は困ったように笑って、あたしの首筋に唇を埋める。
少し驚いたけど、それが心地よくて、嬉しくて……。
あたしはそのまま目を瞑り、拓海の背中に腕を回した。
「拓海、大好き。愛してる」
「僕も愛してる」