燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


 あたしはその日の夕方。窓辺で空を見上げながら、


「……拓海、聞こえる? 今日は6月30日。って言ってももう夕方だよ。空はオレンジ色。拓海は急患で病院に行っちゃった。そのまま夜勤だって。あたしは……」


 スマホに向かって話していた。


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