燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

 そして思わず、

「大熊さんが退院したら、お礼に何か奢ります。身体によさそうなもの。肝臓の数値もギリギリでしたよ。飲みすぎてませんか? ちょうどこの入院中に節制できてよかったですね」

という。

「……こっちもお礼しないといけないな」
「じゃ、二回行きましょう」

 思わず言うと、大熊さんは少し驚いた顔をした。「だめですか?」

「……別にいいが。いいのか?」

 困ったように頭を掻く大熊さんを見て、私は思わずまた笑った。


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